「小5「バナナ320本食べると死ぬ」…都市伝説を妄信し検索6時間、教室で「情報」披露」
読売新聞の1面記事で衝撃的な内容の記事が。
新聞の一面にもTwitterのトレンドにもなっている内容ですね。
記事の内容
衝撃なタイトルですが記事はどのような事が書かれているのでしょうか?
記事の要約
記事の内容ですが、
都市伝説を信じる小学校が、給食の時間に出されたバナナを食べていた生徒に「バナナ320本食べると死ぬ」と伝えクラスが騒然に。
同じことを伝える動画を何本も見たその小学生は「本当のことだ」と信じて疑わない。
また同級生の注目を集めるためにこうした「興味をひく新しい情報」を探す為平日2時間・休日は6時間もスマートフォンで情報を探している
といった内容です。
子供がネットの(一部の信憑性がない)記事を疑うこと無く信じてしまうことが問題となっているという記事ですね。
バナナ320本食べるとどうなるのか?
そもそもなぜ「バナナを320本食べると死ぬ」と言われているのでしょうか?
バナナの何が問題?
問題となっているのはバナナの「カリウム」の量です。
都市伝説の情報によると、
カリウムの摂りすぎると「手や唇の倦怠感、全身の倦怠感、不整脈などの症状が現れ、最終的には心臓が止まる」そうです。
どうやらバナナには多くのカリウムが含まれており、致死量を換算するとバナナ320本分に相当しバナナを食べると死ぬ…という理屈になるわけですね。
読み手のリテラシー能力
動画の出典は?
新聞の記事からはその小学生がどの動画を「出典」として利用したかの明記はありません。
ただ、記事の内容(「水は7リットル、しょうゆは1リットル飲めば死ぬ」。)から推測するといくつかYoutubeの動画がヒットします。
これらの都市伝説系の動画を見て確認したところ、Youtuberはみな「320本のバナナを短時間で食べる」と体に悪影響があると言っています。
「バナナ320本食べる」とは?
これまでバナナ320本とありますが、
320本を「短時間に食べる」のか、はたまた「1日換算で(1日約1本弱)食べ続けるのか」で意味は変わってきますよね。
そもそも短時間に320本を食べれる人なんていない(おそらくフードファイターですら)ので、現実問題バナナを食べても体に影響がないことがわかります。
厚生労働省によると
バナナに限らずカリウムはよく聞く栄養素です。
カリウムは取りすぎる事があるのでしょうか?
厚生労働省のe-ヘルスネットで「カリウム」について調べると、
カリウムは、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。
また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。
ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。
一方、不足するとこれらの働きに影響することはもちろん、脱力感・食欲不振・筋無力症・精神障害・不整脈などの症状がみられることがあります。
なお、大量に摂取した場合でも体内の調節機構が働くので、通常、カリウムが過剰になることはまれであると言われています。
とあるようにカリウムの過剰摂取というのは起こりにくい(バナナ320本の様に)わけです。
受け手の理解力
Youtuberの人たちも動画内で「実際バナナ320本を短期間では食べられないので問題ない」事を直接(間接)的にせよ伝えています。
「バナナを320本食べると死ぬ」の部分だけが強調されてしまい今回のような件になったのではないでしょうか。
動画の内容を理解できるか受け手側のリテラシーも求められますね。
視聴者を得るための表現
視聴者を得るため
提供側も視聴者を獲得するために『煽る』ような表現をしているのも事実ではないかと思います。
サムネイルから動画をクリックしてもらうために過激な画像や目を引くような表現を用いて視聴者を獲得する(クリックベイトに近い)事もYoutubeなどでは多く見られます。
身近な食品であるバナナや醤油を摂ると死ぬかもしれないと言われると気になってクリックしてしまいますよね(実際320本のバナナも1リットルの醤油も短期間では摂れません)
情報の信憑性の判断
ネットの容易性
今更ですがインターネットで本当に生活が変わりました。
情報も簡単に手に入れられる様になり便利さは格段に向上しました。
一方で情報の信憑性がないものだったりフェイクニュースと呼ばれる情報も目にするように。
(ネットがない時も怪しい広告や本がありました。が、インターネットが違うのは簡単に情報が手に入る点です)
子供はこうしたリテラシー能力が大人より低い(一部の大人も?!)です。
私も小さい娘がいますが、これから大きくなり自分で調べ物をする時にネットの情報の調べ方やリテラシー能力の高め方というのが気になるところです。
ネットの情報の信憑性の確かめ方
ネットで情報を得た時に、その情報の信憑性が高いかどうかは↓のような条件で確認することができます。
- 情報源は?
- 著者は?
- 情報の新しさと更新の頻度
- 引用とリンク先
- バイアスがないか?
- 感情的でないか?
情報源:
情報が発信されているウェブサイトやアカウントが公的機関、学術機関、専門家、信頼できるニュースメディアなどからの情報ならば一般的に信頼性が高いです。
著者:
記事や情報の著者が専門知識を持っているか。
専門家の意見が常に正しい訳ではないですが、一般人よりは見識や知見があることは間違いないです。
情報の新しさと更新の頻度:
当時は正しい情報でも今正しいかどうかはわかりません。
情報が最近更新されたものであるかどうかも一つの大きな指針ですね。
引用とリンク先:
記事や情報が他の信頼できる情報源からの引用やリンクを含んでいる場合、その情報の信頼性は高まります。
バイアスはないか?:
情報は偏っていないか。
対立や複数の視点がありそれらの情報を意図的に画している場合は注意が必要ですね。
感情的でないか?:
自分の意見や気持ちを書くこと自体は悪くないです。
ただ、記事や情報が強い感情的な反応を引き出すように意図されている場合は事実よりも感情に訴えるためのものである可能性がありので注意が必要です。
と、いくつか挙げてみましたが実際↑の情報が正しいか、十分なのかもご自身で考えていただけばと思います。
最後に
今回は新聞やTwitterで話題になった「バナナ320本を食べると死ぬ」についてでした。
記事を通して自分自身のリテラシー能力はどうか?という事と娘の今後について考えてしまいました。
一方で、新聞で一面になる内容かな?とも思ったり(すべての小学生がこういう意見をもっている訳では無いので)
Googleで検索(ググる)だけでなくこれからはChatGPTといった生成AIを使って情報収集がさらに簡単になるので一層気を使いますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。